お茶をもっと自分好みに淹れるために
お茶の香味は
◆どのような水を用いるか(硬度などの成分や湯沸かし器の違い)
◆茶葉(価格帯・産地・品種などの違い)
◆淹れ方(これからご説明します)
◆茶器(茶器の形・大きさ・素材などの違い)の4つで決まります。

このうち、淹れ方は
■茶葉の量
■お湯の量
■温度
■抽出時間

これら4つをどう組み合わせるかということです。
淹れ方についてわかりやすくお伝えするために
茶舎 觀壽では取り扱うお茶のパッケージに
下のような《おすすめの淹れ方欄》を設けています。
この情報で自分好みのお茶が淹れられたら安心ですが…
各要素についてパッケージには書ききれない補足説明を
ここでさせてください。

茶葉の量お湯の量温度抽出時間
たくさんの量を一度に淹れるとき

■茶葉の量

茶葉の量を、毎回計る人は少ないと思います。
私どものおすすめは
新しいお茶を買ったら、最初だけ計りを使い、
その際に目で見て量を覚える
ことです。
ティースプーンにうっすら山もりという場合もあるでしょうし、
急須の底に溜まる量で覚える方もいることでしょう。
茶葉量を目分量で覚えてください。
そうすれば毎回計りを出さなくていいし、
量のばらつきに悩まされることもありません。

例えば同じ煎茶でも、葉の長く太いものから短く細かいものまであります。
葉の長く太いものはたくさん入れたつもりでも量は多くない。
葉の短く細かいものは、ちょっと入れたつもりでもたくさんになっています。
そのため、新しいお茶の袋を開けるたびに計りを用いることを
お勧めします。

■お湯の量

私どもは50cc(50ml)~150cc(150ml)で記載しています。
50ccは一般に比して少量ですが、これには理由があります。

私どもは、煎の利くお茶を選んでいます。
つまり、3煎、4煎、5煎・・・と淹れても味わえるお茶です。
煎を重ねることによる香りや味わいの違いを楽しめますし
一回あたりの茶葉の量を減らすことができます。
つまり、一度のお買い物で少しずつ茶葉を使って長く楽しめます。

そういったことは、私どもが茶葉を
20gや30g、多くても50gずつお売りする理由でもあります。
一般には50gや100gで一袋でしょうが、
それでは、煎を重ねる飲み方ができるお茶には多すぎる。
煎を重ねて飲めるお茶の茶葉はゆっくり減っていきます。
そのため、20gや30g売りが適切であると確信しています。

また、重要なこととして、
茶葉の量とお湯の量は比例関係が続くわけではありません
例えば500cc淹れたくて、
50cc用の茶葉の量の10倍の茶葉を入れると多すぎます。
比例関係が続くのは250~300cc程度まで。
それ以上の量になると、茶葉の量は正比例より少な目にするのがコツ。
たくさんの人に一度に淹れる場合の方法は
下記の「たくさんの量を一度に淹れるとき」をご覧ください。

■温度

それぞれのお茶に適切な温度は異なります。
玉露は常温~50℃。煎茶は70~90℃。
烏龍茶、紅茶やほうじ茶は90℃~熱湯です。
特に台湾烏龍茶を低い温度で淹れると魅力が発揮されにくい。
台湾烏龍茶は香りを楽しむお茶ですので、香気成分をふんだんに出してあげるためにも90℃~熱湯のお湯を用いてください。

お湯は、どのようなお茶でも沸騰させてからお使いください。
電気ポットや電気湯沸かし器は温度を教えてくれるのでいいとして。
やかんを使う方は、沸騰状態がわかりにくいかもしれません。
シューっと音がするくらいですと、まだ80℃台です。
お湯がぼこぼこ沸いてやかんの蓋がカタカタっというくらいまで
十分に加熱してください。それが沸騰です。

熱湯を、一度湯冷ましする(別の器に移す)と
5~10℃ずつ下がります。

70℃のお湯にしたいときには3~4回別の器に移せば大丈夫です。

■抽出時間

これも茶葉の量同様、毎回計る人は少ないと思います。
私どもも、鑑定の時以外は計りません。ではどうするか。
茶葉の量と同じで、最初だけ時間をきちんと計ってください。
そして自分にとっての秒数を感覚でつかむ
のです。
自分にとっての1分はこのくらい、1分半はこのくらいという
感覚を知ってください。
例えば湯のみをここからここに持ってきて並べたらそのくらいだ、とか
どこの部屋に行って帰ってくるくらいだ、とか
新聞のコラム欄をひとつ読むくらいだ、とか、
基準はなんでも構いません。
自分時間を心地よく彩れるよう、基準を設定してください。

■たくさんの量を一度に淹れるとき

繰り返しになりますが
私どもは煎を重ねて飲めるお茶を選んでいます。
そのため、たくさん一度に淹れたいときも
何回か抽出してひとまとめにできます。         
つまり、一煎目と二煎目と三煎目・・・をひとまとめにするのです。
        
たくさんの人に一度にお茶を淹れる場面、あるかと思います。         
例えば500cc必要なら、3g~4gの茶葉を入れ、
150cc程度、90℃程度の高温のお湯を注ぎ、
毎回1~2分抽出して、
四煎を別のピッチャーなどに、ひとまとめにして
それを、人数分のお湯のみやカップに注ぎ分けてください。
        
この手法、大変お勧めです。
一、二煎目の香り高さや濃厚さと三、四煎目の清涼感が融合して
ちょうど良い味わいに落ち着くのです。         
この場合、温度は少々高いほうがおすすめです。         
茶葉のもっている香味の要素を、高温の湯で次々出してください。
いろいろ申しましたが、お茶は嗜好品です。
お好みの淹れ方でお楽しみください。

ここでは水のこと、茶器のことまでは触れませんでした。
それも含めて詳しくお知りになりたい方は
ぜひ、生活に根差したお茶講座にお越しくださいませ。

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