硬度の高い水の国々で
緑茶を淹れるⅡ

引き続き、硬度の高い水でお茶を淹れました。
用いたのは前回と同じ、硬度300程度の水、エヴィアン。
今回の目的は、煎茶(釜炒り茶も)によって
硬水との相性に違いがあるのかを知ることです。
前回、硬水は煎茶の煎を重ねるに適さないとわかったため
今回は一煎だけ淹れました。

用いた煎茶と釜炒り茶

用いたお茶の栽培方法と地質は下のとおりです。
煎茶い・・・
慣行栽培・品種由来の香りが顕著・付加体及び堆積岩
煎茶ろ・・・
慣行栽培・六月に摘採された煎茶(二番茶)・火成岩
煎茶は・・・
農薬不使用・肥料は年一度油粕及び周辺の敷草・火成岩
煎茶に・・・
農薬不使用・肥料は大豆粕等(有機JAS)・付加体
煎茶ほ・・・
農薬不使用・肥料は年一度の有機配合肥料・手摘み・付加体
煎茶へ・・・
「煎茶ほ」に同じ圃場の機械刈り(春番)
煎茶と・・・
農薬・肥料ともに不使用・在来・変成岩
煎茶ち・・・
農薬・肥料ともに不使用・火成岩
釜炒り茶・・・
年一~二回の農薬・肥料は油粕中心・火成岩

前回に引き続き、今回の実験についても、
エヴィアンの、水としての良し悪しを評価したり
エヴィアンで淹れたお茶の結果から
お茶の特性を決めつけたりするものではないことを事前に申し上げます。

しかしながら、私たちが通常用いるのは水道水の浄水。
それに基づきお茶の特徴を知り、仕入れを決めています。
そのため、エヴィアンで淹れたお茶については
「水道水の浄水で淹れたお茶に比べてどう異なるか」
という目線になることを避けられないことも
了解いただければ幸いです。

結果

◎エヴィアンで淹れて、どちらかというと不快だったもの
〔煎茶い〕
香りの特徴が後退し、味わいはしょっぱくなりました。
塩辛いというほどではなく海水に近い塩味(えんみ)です。

◎エヴィアンで淹れても浄水で淹れたものと
大きな差異を感じないもの
〔煎茶ほ〕
浄水、エヴィアンいずれも素直なお茶の香味が
そのまま現れていました。
〔釜炒り茶〕
香りは浄水より僅かに控えめでしたが
それ以外の差を感じませんでした。(続く)