水道水と浄水Ⅳ

前回に引き続き、店頭の蛇口から出る水道水と
それを浄水器で浄水した水を比較しました。
今回は抹茶です。

はじめに

水道水とその浄水を、同じ材質のボーフラで
水から沸かしました。
数茶碗に、同じ分量の抹茶を仕込み
100℃近くまで沸いているお湯を一度湯冷ましして
同じ分量注ぎました。

濃茶用抹茶の場合

まず、濃茶用の抹茶を薄茶として点てました。
濃茶にしても飲める程に苦味が抑えられ
甘味を感じやすい抹茶です。
また濃茶用の抹茶は、薄茶にすると
口当たりが軽すぎることも往々にしてあります。

そのような抹茶の場合水道水と浄水の差異は明瞭でした。
浄水の場合は口の中での広がり方がフラット、
つまり軽く平たいと感じました。
香味は控えめ、人によっては淡泊で物足りないかもしれません。
後味に、僅かに苦味もありましたが長く続きませんでした。

水道水の場合、まず浄水の時よりも香り自体が強く
ワイルドな草原のようでした。
口に入れると円を描くように広がり
様々な味が、あらゆる方向に向かって
粗野に飛び散っているような印象でした。
後味も浄水より長く、具体的には
さっぱりした焙じ茶が欲しくなるような後味でした。

薄茶用抹茶の場合

次に薄茶用の抹茶を点てました。
こちらも、浄水だと香味が洗練され
水道水だとぼってりとするだろうと予測しましたが…

意外にも、両者の違いはほとんど感じられませんでした。
強いて言うなら、水道水の方が少し重たく感じられる程度。
そもそも、濃茶用の抹茶よりも
重量感(食感)があり、香りも味わいも力強く
苦味も持っています。
そのためか、水道水でも浄水でも大差が出ず
どちらも、コクがありお菓子と馴染む抹茶でした。

今回、濃茶にする実験は行いませんでした。
おそらく、濃茶用抹茶を水道水で練ると
甘味と味わいのまとまりは出にくいと思われます。

終わりに

濃茶用、薄茶用と一口に言っても価格帯によっても様々。
また抹茶に関しては特に、
店によって香りも味わいも水色も傾向が異なります。
同じ価格帯で、複数の店の抹茶を飲んでみると
自分好みの抹茶を置いている店を
見つけることができると思います。参考までに。