香港の日常茶

白茶というものをご存知でしょうか。
先日、弊店店主が香港で数日間過ごす機会に恵まれ
香港では白茶が日常茶のひとつであると知り驚きました。
このタイミングをとらえ白茶について少し記します。
名水はまた来月に。

白茶

中国茶は発酵(酸化)度と製法から六分類されます。
緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶。
実際、細かく分類し始めるときりがありませんが
大まかには上のとおりです。

白茶は弱発酵のお茶です。
弱発酵というと緑茶に近く黄緑や青緑かというと決してそうではなく
乳白色~薄黄色~濃くなると橙色に近いものも。
香味も程度の差があり、清酒のような香りのあるものから
淡い紅茶に近いものまで様々。

製法を非常に完結に言うと
葉を摘んだ後、葉に刺激を与えないように丁寧に扱い
葉と葉が重ならないように並べて静置した後
それを乾燥させるというもの。
静置する間に萎凋が進み
紅茶の一種であるかのようになることが多くあります。

香港の白茶

飲茶店では、白茶の他にも普洱茶や鉄観音
またジャスミン茶も見られました。
ところで白茶は香港の位置する広東省ではなく
福建省で主に作られます。福建省と言えば岩茶の産地。
しかし岩茶の多くは希少で高額になり過ぎるため
香港ではその他のお茶を日常的に愛飲すると聞きました。

出し方は、大きなポットで人数分以上の量を出す場合と
ポットはテーブルに置かず
各人の茶碗が空になる度に店の方が注いでくれる場合も。
これを、エビや野菜やチャーシューの餃子や焼売
といった点心などと共にガブガブ飲みます。
大切にお茶の香味を味わうというより食中のお茶。
日本でいう番茶と同じように扱われています。

日本の白茶

昨今、日本の茶農家さんの中にも
これまで日本になかったお茶を手掛ける方があり
白茶を作る方も、まだ非常に少数ですがおられます。
日本では大量生産されることはなく、むしろそれどころか
茶葉の扱いに細心の注意を要し静置には面積も取るため
一度に完成する量は非常に微々たるものです。
結果として日本の白茶は高級茶になっています。

私たちの経験上、白茶は
緑茶では身体に負担を感じるとか
緑茶の僅かな渋味も苦手という方にも好まれます。
また、食事やお酒類の後に飲むと
飲食の後味を残したまま、お茶で終止符を打てるとして
好まれる方も。
欧州でもホワイトティーとして普及しています。

遠くない将来、白茶は日本でも益々広まり
いつの日か大きく脚光を浴びることでしょう。
私たちも、近々店頭でご提供を始めたく考えています。