肥料について~終わりに~

安定した収量

肥料の目的は
「安定した収量と高い品質を得ることを目的に・・・」
とも記されていますが、
その「安定」とは一体何でしょうか?
これには、大きく分けて二つのとらえ方があります。
一つは、肥料や農薬を与えて管理した時に
得られる収量をもって
安定した収量とする考え方。
また、肥料や農薬を与えず栽培した時に得られる収量
(通常、2割程度の減収になると言われます)をもって
基準とみなす考え方。
どちらの方が絶対的に美味しい香味のお茶になる等の
傾向は見て取れません。
どちらがより正統というものではなく
生産者の哲学やこだわりによる、と感じます。

用いる肥料の種類は香味に影響を与える

私たちがお茶を選ぶ時は
「農薬も肥料も不使用のお茶」とか
「植物性有機肥料で育ったお茶」または
「化成も含めて肥料を適度に与えられたお茶」といった
栽培方法からより分ける選び方ではなくて
以前のコラム「試飲の方法」でも記載したような見方で
ひとつひとつを決めています。

冒頭でも申し上げたように
施肥の方法はたくさんあるお茶づくりの条件のひとつです。
それだけでお茶の良し悪しや美味しさを
決めてしまうものではありません。

私たちにできることは
生産者のお茶づくりについて深く知り
それをお客様にお伝えすること。
そしてお客様がお茶を選ばれる際の一助にすることと
考えています。