肥料について~目的・種類~

目的

肥料を与える理由、目的は何でしょうか。
茶生産の最新技術‐栽培編‐を引用するとこのとおり。
「土壌の潜在生産性を活用しながら
作物の能力を最大限に発揮させ、
安定した収量と高い品質を得ることを目的に
不足する養分を人為的に与えること」
安定した収量をどのくらいととらえるか
高い品質とはどういったことを指すのか
そのとらえ方によっても個性が出るところ。
(後述します。)

種類

肥料は大きく分けると無機肥料と有機肥料があります。
例えば、鉱物を分解したミネラル分も無機肥料ですが
無機肥料の大部分は化学肥料、化成肥料です。
具体的には、肥料三要素である窒素、リン酸、カリなどの
成分で構成されるものが、それです。

また、有機肥料には
骨粉、魚粉や厩肥といった動物性有機肥料
油粕や米ぬかなどの植物性有機肥料があります。
また、化学肥料と有機質肥料を配合した配合肥料もあったり・・・
大変、幅広いものです。

無機肥料と有機肥料と違いのひとつは
無機肥料は水で分解されますが
有機肥料は土壌微生物によって、
比較的ゆっくり分解されることです。
有機肥料は即効性はなくとも土の活力が上がり
土壌の保肥力や通気性、透水性、保水性の向上にも
繋がりますが
無機肥料はそればかりだと土が痩せかねないのですが
即効性があります。
そのため、化成と有機を併用する方も多くあります。

また、化学肥料(化成肥料)ですと
補いたい成分をピンポイントで選ぶことができますが
有機物を用いると、種類によって差はあれども
微量要素が補われるという効果もあります。

さらに、昨今話題にもなっていることですが
ススキ、ササやその他周辺の葉を畝の間に敷いて
土壌の保水、凍結などからの保護や
雑草の抑制ができるとともに
ススキやササなどが腐植すると腐葉土にもなります。
これはどちらかというと肥料ではなく土づくりであって
茶園の近隣に育つ植物が循環するサイクルの運び役に
人の手が加わっているものと、とらえています。(続く)

 

参考文献
茶生産の最新技術―栽培編― 社団法人静岡県茶業会議所