今、考えていること

「お茶を通じて心のゆとりを」というコンセプトで
店を始め、なんだかんだで6年間も続けてこれました。
そんなにも長く続けてきたことを
自分たちが一番信じられません。感謝です。

「お茶を通じて心のゆとりを」なんて言うと
何歳の人がやっているんだろう?
仙人みたいなお爺ちゃん店主かしら?と
思ってしまいそうですが
店主はそろそろ男の本厄になる程度の年です。

私は店主妻として開業当初からともに店頭に立ち
近年は一人で講座や茶会もさせて頂くようになりました。
いろいろと、気付きがありました。そして
新しく夜のコースメニューを始めてみることにしました。

6年を通じて気付いたこと

【 お茶を飲みに、お茶を買いに来る人の多くは
自身がお茶を飲む習慣を身に付ける前に、
誰か別の人に美味しいお茶を淹れてもらった
豊かな経験を持っている。】

お茶は嗜好品の一つ。
お茶好きになる人は皆、それを求めるようになった
それぞれの背景を持っています。
背景はもちろん十人十色なのですが
元をたどると親族の誰かにお茶好きがいるとか
日常的に家庭で飲んでいたとか
友人に誘われて茶会に行ったら感動したとか・・・
「誰か別の人から飲ませてもらった」経験を
していることがほとんどです。

さらに、そのお茶の味がどう素晴らしかったというよりは
お茶をとりまいていた、お茶を介していた経験の美しさが
人をお茶好きに導いているように思います。

【お茶を飲みに、お茶を買いに来る人は
概して幸福感が高い。】

お茶は、成分の一つであるテアニンの効果で
人をリラックスさせることがわかっています。
またカテキンという成分は、様々な点で
健康増進させることも明らかになっています。
そのため、お茶を飲み続けると
次第にパーソナリティまでお茶色に染まるのでしょう。

また、幸福感が高い理由についてもう1点推測しています。
それは「心的に満ち足りている、幸福感が高いから
お茶という選択肢も取れている」のではないでしょうか。
(満ち足りている人で、お茶以外の嗜好飲料を
選んでいる人も多くいると思いますが!)

いずれにしても私はこの6年を経て
「お茶を人に淹れたい」と、より強く思うようになりました。
通常はお茶に気付きにくい人にもアウトリーチしたいと。

夜のコースメニュー~觀壽のEvening Tea~

★いらして頂きたい方
会社で働くなどの理由で
日中はなかなかお買い物や喫茶に来れない方も

★願い
ぱーっと解放的になって騒ぐのではなく
逆にしんみりするのでもない。
リラックスして、高ぶらず
お茶の知識やうんちくにも触れず
ただ五感を働かて過ごしていただきたい。

★時間帯
18時~21時のうち1時間程

★メニュー
3種類のお茶をご提供。
アレンジティー2種に続いて従来型のお茶で締めくくり。

★価格
1,800円(込)/人で、ひとまず反応をみてみます。

前日までの予約制で、月に数回実施。

最終的には、「自分も誰かにお茶淹れてあげよう」
という気持ちになってもらえたら本望です。
「お茶を淹れるなんて難しい、知識がない」と
多くの人が言います。
それは、粗相のないように、100%美味しく淹れようと
気負いしてしまうためです。
しかし考えてみてください。
お茶を淹れてもらった人は、それが美味しいかまずいか…気にするでしょうか?
淹れてもらうだけで嬉しくものではないでしょうか?

お茶を淹れることを目的とするのではなくて
「何かを伝えたいから、そのためにお茶を添える」
そのようにとらえることもできるでしょうか。

終わりに

最後に、6年を通じてもう一点気付いたこと。
【お茶関係者は特に、お茶か珈琲という
選択肢の有り方を念頭に置きがちで
珈琲っぽく演出、提供したり、比較したりする。
しかしお茶は珈琲と並ぶほどの知名度では、もはやない。
珈琲は老若男女を問わず大変多くの人が取る選択肢だがお茶はその他多くの飲料のひとつにすぎない。】

ちなみに、珈琲の消費量は人々のストレスレベルに
比例するという新聞記事を読みました。
確かに私も、イベント前などせっぱつまった状態にあると
お茶では不十分です。
一時的に強いストレスに打ち勝つには
素晴らしい飲料なのでしょう。

皆さま良い春をお迎えください。