お茶を淹れる道具の話Ⅻ
~淹れて飲める道具~

今回はお茶を淹れて飲める道具のご紹介です。
そのような飲用法のご紹介でもあります。

写真をご覧ください。

茶葉をカップ(写真はガラス瓶)に浸したまま飲み
お茶が減ったらお湯を足すことを繰り返す飲用法です。

茶葉が口に入るのでは?
雑味が出るのでは?
濃くなりすぎるのでは?
などの疑問を抱く方も多くいらっしゃることと思います。

確かに、どんなお茶でも適しているわけではありませんが
多くのお茶について、この飲用法は可能です。

どんな器?

ガラスの器は茶葉が見えるため特におすすめですが
それに限らず、お気に入りのマグカップや湯のみなども可。

近頃私どもは、こちらの耐熱ガラス作家さんの
グラスを気に入っています。

気に入っているので日々使えます。
毎日手に取りたい道具を使うことの大切さを実感します。

扱い方は?

平均的な大きさのカップ(150~200cc)であれば
茶葉を1g程度入れます。
最初は、少し湯温を下げたお湯を入れる方がいいです。
緑茶なら70~80℃程度、烏龍茶、紅茶、白茶、黒茶なら
80~90℃程度。
茶葉があまりに表面に浮いて、飲みにくいようでしたら
半分程度沈むまでお待ちください。

カップの1/3~半分程度まで飲まれたところで
お湯を注ぎ足してください。
飲みきってからお湯を注ぐと、味わいがガクッと淡くなります。
必ず、少しでも茶液を残した状態で注ぎ足してください。
そうすれば、本当に一日飲用可能です。
(飲用量にもよりますが…)
なお、茶葉の力と衛生面を考慮すると
一日で茶葉を取替えることをおすすめします。

どんなお茶がいいの?

Q茶葉が口に入るのでは?

A概して茶葉は大きい方が飲みやすいです。
繊細な茶葉のお茶ですと葉が表面に浮きやすくなります。
口に入っても害はありませんが、
茶葉は湯に浸されてもしっかり繊維質を感じさせるので
口に入らないに越したことはありません。
ずっと放置すると表面の葉は沈むのですが、
お茶を飲みたくて淹れているのに
沈むまでじっと待つのは得策ではありませんから…
もし繊細な茶葉をお使いになる場合は
湯を注ぐときに、カップの淵に添わせるように注ぎ
茶葉がカップの中で踊ってジャンピングしないように
注意しておけば、表面に浮く割合を抑えることができます。

Q雑味が出るのでは?
Q濃くなりすぎるのでは?

A上にも記載しました通り
カップの1/3~半分程度まで飲まれたところで
お湯を注ぎ足すことをおすすめしています。
お湯を注ぎ足すことで濃さが中和され
仮に雑味が出ていたとしても知覚しにくくなります。

この飲み方の魅力

私どもが、この飲用法をおすすめする理由は
日常に根ざしたお茶の姿の完成形のひとつと
考えるためです。

まず非常に手軽。準備は簡単、後片付けも楽ちんです。
持ち運びしやすいので旅先にも連れていきやすいでしょう。
使う茶葉も控えめな量で済みます。エコです。
一日茶葉を取り変えず自身の好きなタイミングで飲めます。

これこそ日常に寄り添うお茶の姿ではないでしょうか。

終わりに

この飲み方は、ひとつのご提案にすぎません。
ほかの茶器で淹れる方が美味しくなる場合も
あることと思います。
あくまで日常に寄り添うことを第一に考えた場合の
おすすめですのでご了承ください。

最後に、この飲用法のいい名称を
思いつかれたらぜひ教えてください。
ネーミングセンスは全く自信がありません…