試飲の方法1
~茶葉、お湯、抽出時間~

ご無沙汰しておりました。

皆様は、初めての茶葉を購入した際
どのように淹れておられますか?
お茶は嗜好品のため好き嫌いで選ぶことも重要ですが
そのお茶が良いお茶かどうかを判断するには
個人的な好き嫌いとは別の基準が求められます。
今回は、私どもがお茶を選ぶ時の試飲方法について、
ご紹介致します。

用いる茶葉とお湯

一回の試飲で用いる茶葉は1.2g。
ここに、約50ccのお湯を用います。
お湯の温度は、玉露を除いて熱湯です。
煎茶など少し温度を下げて淹れるのが一般的なお茶も
熱湯を用いています。
温度を下げると渋苦味の成分が抽出されにくくなり
相対的に甘味やうま味を感じやすくなります。
熱湯を用いると渋苦味の成分も抽出されるので
甘味やうま味だけでなく苦渋味もしっかりと感じます。

なぜわざわざそのような淹れ方で試飲するのか。
実生活においてお茶を淹れる際
温度計を片手に、きっちり温度を測る方は
おそらくほとんどいないと考えるためです。
大半の方は、ポットのお湯をそのまま注ぐか
やかんからそのまま注ぐ、
あるいは一回湯冷ましを通す。
それが現実ではないかと思います。
(私どもの食中のお茶もそのように淹れています。)
また、熱湯を用いて淹れても美味しく飲めるお茶なら
温度がそれより下がった場合
過度に渋苦くなったり煎が利かなくなる
ということは考えられません。
むしろ甘味をより感じやすく味わいは円やかになり
煎の利きは良くなります。
そのため、試飲する際には
お茶にとって最も厳しいともいえる状況を
採用しています。

玉露の場合の茶葉とお湯

玉露の場合は1.2gに対して30cc
温度は50℃、種類によっては35℃まで下げます。
玉露は非常に濃厚な香味を楽しむよう作られているので
茶葉とお湯の量の比率を変えます。
また、玉露には特有の香気がありますが
重要な香気成分のひとつに揮発点が40℃以下である
ジメチルスルフィドがあります。
熱湯を用いてしまうと、この成分が飛んでしまい
玉露の香気特徴を捉えることができなくなってしまいます。

実際は、本当に美味しい玉露でしたら
熱湯でも苦味やえぐみが出ることなく
さっぱりした香味を楽しめますが
多大な労力をかけて栽培されたお茶ですので
温度を下げて、その価値を味わうことが
相応しいと考えています。

抽出時間

抽出時間は厳密に計測していません。
1煎目は、1分前後を目安にしつつ
堅くしまった茶葉なら少し長めに
煎茶で猛々しさが出やすいものなら短めにしています。
また玉露の場合は他のお茶より数倍延長し
2~3分経っただろう、という感覚を目安にします。

なぜ、きっちり計測しないのか
これも先ほどの温度と同じ理由に基づきます。
実際、ご家庭でお茶を淹れる時に、
時計の針など見ながら、またタイマーをかけて
時間をきっちり計る方は
はたして多いでしょうか・・・
おそらく、そんなに多くないと思うのです。
実生活では、蓋を開けて茶葉の開き具合を見たり
少し出して水色や香気を確認したり一口飲んでみたり
そのようにして淹れるのではないでしょうか。
そのため私どもも、敢えてわずかな時間のブレを作り
回数を重ね試飲することでお茶を確かめています。(続く)

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