試飲の方法Ⅲ~香味の確認②~

味わいバランスが良い

味にはうま味、甘味、苦味、酸味、塩味の五つの要素があります。
お茶の場合は、うま味、甘味、苦味に渋味を加えて
味わいを表現されることがほとんど。
私たちは、うま味、甘味、心地よい渋味、
そして猛々しさという表現をよく用います。
このような味わいの要素をバランスよく含んでいるものが
いい品質のお茶と考えます。

どの要素も均等に含むという意味ではありません。
口に含んだ瞬間うま味を感じるお茶もあれば
猛々しさが強く表れている場合もあり
それはそのお茶の個性として楽しみたく思います。
甘味だけが突出していたり
苦渋味ばかりが後味に残るといったものは
バランスを欠いていると考えています。

ほか

その他、煎茶なら「形状を細くしなやかにするがために
若すぎる葉で作られたもの」や
「水色を緑深くしたり甘味の強いお茶にするがために
蒸し過ぎたり、比較的低い温度で青々と仕上げたもの」
ではなく
「摘み取るべき時期に摘まれ、普通蒸しによって作られ
水色は透明な山吹色をしており芯の強いもの」、また
紅茶なら「青みが残っておらずしっかり発酵しているもの」
など、個々のお茶による他の点もあります。また
「飲んでいて身体に負担を感じず心地よいと感じられる」
というシンプルな要素も大切だと考えています。

結局

お茶は嗜好品。
栽培・製茶の工夫、苦労や
希少性、ストーリー性などあるとはいえ
それが最終的に美味しいかどうかをお決めになるのは
一人ひとりのお客様です。
我々が提供しているお茶は、数多くあるお茶の中でも
ご縁をいただいているごく一部のお茶です。
これからも良いお茶に出会えれば
新たに商品に加えていきますし
それらのお茶の中から、お気に召されるものに
出会っていただければ本当に光栄です。
また他にも、我々が巡り合えていないお茶に
ご縁のある提供者は数多くおられます。
果てしなく幅広いお茶の世界を楽しみたく思います。