試飲の方法Ⅰ~急須・テイスティングカップ~

お茶選び
これは、茶葉をお預かりしてお客様へお繋ぎする仕事をする者として
最も重要な仕事といっても過言ではありません。

お茶選びを適切に行うためにすべきあらゆる学びと経験は
仕事の95%以上を占めているように思います。
それができてこそ、お客様の前で良いパフォーマンスができます。
お客様と応対している部分は
時間、労力ともに、5%も占めていないように思います。
せっかくお時間を取りお越しくださるお客様に
最高の応対で、期待にお答えできるように
私どもは、日々学びと経験を積み上げています。

試飲の方法

弊店では二種の方法を用いています。
ひとつは急須を用いる方法。
何煎も淹れて、香りと味わいの変化を確認します。
もうひとつはテイスティングカップを用いる方法。
長時間茶葉を湯に浸すことで、
その持ち味をすべて引き出し品質や状態を観察します。

急須を用いる方法

急須を用いる方法は
多くの方がお採りになるであろう淹れ方と味わい方。
各茶種ごとに、一般的な茶葉量・量・温度・抽出時間で確認します。
一煎目がよくても、その後急速に変化するお茶もありますので
何煎も淹れて、それによる移ろいも確認します。

また、サンプルを開封して直後に決めるのではなく
開封後一週間、一か月後まで試飲は続けます。
お客様が、開封してすぐに全部を飲みきられることは稀でしょうから
同じ状態を再現して確認を続けています。

テイスティングカップを用いる方法

テイスティングカップを用いる方法では
15分程度、茶葉を湯に浸して持ち味をすべて引き出し
品質や状態を観察しています。
このようにすることで、急須ではわかりにくかった点
特に、欠点を見ることができます。
特に半発酵茶や発酵茶においては
急須では甲乙つけ難かったお茶についても
スパっと爽快に決定することができます

このようにご説明すると、まるで私どもは
お茶をシビアに審査する、厳しい人のように聞こえるかもしれません。
それもすべては、茶農家さんためであり、お客様のためであり
結果的に、茶業界の発展ためにもなります。

茶農家さんにも、フィードバックをお伝えてしています。
大変僭越で気が引けて言いたくないこともありますが
お客様との仲介者としてお伝えすることが
より求められるお茶や、あるべきお茶を増やしていく結果になるように。

次の二回のコラムでは試飲の詳細をお伝えします。